［対象］「尿路結石」

腎臓、尿管、膀胱、尿道にできる結石。鋭い痛みや血尿をともなうことも。

尿路とは腎臓、尿管、膀胱、尿道の総称。
ここにできる結石を尿路結石といいます。腰の辺りの鈍い痛み。あるいは、背中や下腹部を不意に襲う鋭い激痛。それはもしかしたら「尿路結石」の症状かもしれません。

尿路結石とは腎臓、尿管、膀胱、尿道内で尿酸やシュウ酸カルシウムが結晶化してできる結石のこと。結石が生じると腎臓が腫れたり、尿管に引っかかったりするために各所の痛みが発生。ときには血尿をともなうこともあり、患者さんを驚かせます。石が小さい場合には利尿剤などを服用し、自然に排出されるのを待つ場合もあります。しかし結石がある程度の大きさまで成長している場合には、石を体内で破砕し排出させなければなりません。この「破砕・排出」の治療で注目されている治療法が二つあります。それが「f-TUL」と「ESWL（体外衝撃波結石破砕術）」なのです。

clear

［概要］「ESWL」なら8割の結石を破砕し自然に排出可能

ほとんど痛みのない衝撃波で結石を破砕。

ESWL（体外衝撃波結石破砕術）とは、尿路結石に対して体の外から衝撃波をあて、砂状に細かく砕き、結石の排出を促進させる治療法です。衝撃波の照射を行っても痛みはほとんどななく、結石は砂状になるまで破砕され、その後尿とともに体外に排泄されます。結石の割れやすさは部位、大きさ、硬さによって異なりますが約8割の結石は破砕され自然排石が可能となっています。しかし、複数回破砕を行っても効果のない結石や1cm以上の大きなもの、感染性の結石などの場合はｆ-TUL（尿管鏡を用いた破砕）をお勧めすることもあります。１回の治療時間は1時間ほどです。麻酔を必要としませんので、人体に対する副作用、後遺症は少なく、ほとんどの方は退院後すぐに通常の生活をおくることが可能です。

clear

［安心］痛みが少なく安全性が高いことも魅力

治療台に仰向けまたは腹這いになっていただき衝撃波を照射します。30分から1時間の間に1,000回～4,000回程度の衝撃波を結石に向けて照射します。治療時にはわずかに痛みを感じることもありますが、必要に応じて痛み止め等の処置を行いますので安心して治療をお受けいただけます。

clear

術後の合併症について

［痛み］

破砕され小さくなった結石の破片が尿管の中を落ちていく時に尿管内につまってしまい背中などに痛みが生じる場合があります。鎮痛薬等を用いて症状を和らげますが、なるべく水分を多くとり尿の流れをよくしてください。

［感染症］

術後、稀にではありますが尿路感染症をおこす場合があります。38℃以上の発熱をきたす場合や背部痛などの症状が生じます。その際には抗生物質の点滴治療などを行いますが、症状によっては入院期間が長引いたり尿管ステントを留置したりすることもあります。

［出血］

一時的に血尿がでますが数日で落ち着きます。また、腎結石の場合、腎臓の周囲に皮膜下の出血がみられることもありますがほとんどの場合、自然に治癒します。

［連絡先］お問い合わせはこちらまで

尿路結石の先進的治療法「ESWL」についてのお問い合わせ

医療法人寶樹会　仙塩利府病院 泌尿器科 外来

<電話> 022-355-4111（代）